ハグ

昨日の夜、夕飯を食べている時だった。
私が仕事から帰ったら家族はもう食べ終わっていて、母は犬の散歩に向かい、
じーちゃんは自分の部屋に戻るところだった。
じーちゃんは足腰の筋肉がとても弱っていて、立ち上がるのも歩くのもやっと。
昨日もなかなか立てなくて、いつもならそこでお父ちゃんはじーちゃんを「なにやってんだ！」と
いらいらして怒るのに、昨日は違った。
怒らずに「もうちょっと自分で頑張ってみな。どうしても出来なかったら手伝うから。」と言ったのだ。
私はビックリして、どきどきした。お父ちゃんがじーちゃんを受け容れて見守ってる！
なんだか嬉しくて、ご飯食べながらひとりでこっそり感動した。

じーちゃんが部屋に戻るとお父ちゃんは私のところへ来て、にかっと笑って
「明日休みかあ。良かったなあ。」と言った。
私の職場は土日祝日が忙しく、今回の連休では連続早朝出勤していた為、私はちょと疲れていた。
それがようやく終わり、ホッとしていたところだったのだ。
お父ちゃんはそれを分かってて、その上で声を掛けてくれたのだった。
私は嬉しくて、ご飯を食べながら泣けてきてしまった。

うちのお父ちゃんは人の話を聞いてなかったり、受け止めてくれないことが度々あった。
本音を誤魔化すことも多く、私は幼い頃からハートで触れ合えない寂しさを抱えていた。
でも、この時は違ったのだ。
お父ちゃんが本気で私をいたわってくれたのを感じたのだ。
そうしたら私のインチャも喜んだのか、本格的に泣けてきて、感謝の気持ちでいっぱいになった。
私はその勢いのままお父ちゃんと話そう、と突撃した（笑）
お父ちゃんを前にしたら、ますます涙が止まらなかった。
わんわん泣いてる私を前に「どうしたんだよ～！」とおろおろするお父ちゃん。
私は泣きながらもせいいっぱい今の気持ちをお父ちゃんに伝えた。
京都行きを認めてくれたこと。
今まで私を育ててくれたこと。
わきあがってくる感謝を懸命に伝えた。
最後には「お父ちゃんハグしよ～！！」というと、ためらいながらもハグで答えてくれた。
私が「生まれて始めてのハグだ～＾＾」といったら「そうだなあ。。。」とお父ちゃん。
で、ますます泣けてきて、またわんわん泣いたのだった。

ああ、私は今まで本当に両親に守られて生きてきたんだなあと感じた。
ありがとう、と思った。
自分の部屋に戻っても泣きが止まらず、この際だから全部吐き出しちゃえ！と泣きまくった。
たぶん、インチャの私が嬉しくて嬉しくてしかたがなかったのだ。
ずっとずっとちっちゃな私が求めていた、お父ちゃんからの受容。
ハグしてもらえて、心を向けてもらえて、嬉しい。

子供の頃、そんな風にお父ちゃんに素直に表現することも出来なかった。
したことあったけど、当時は振り払われて「そういうことをするやつは嫌いだ」といわれてしまい、
それからは怖くて本当に安心したり甘えたりが出来なくなった。
今ではそれが、お父ちゃんのインチャの反応だってことが分かる。
でもそのお父ちゃんが、たぶん怖かった（勇気が要った）であろうハグをしてくれた。
本当に嬉しかった。

はー。。。すごい大きな癒しだ。インチャ癒されまくりだよ。。。
お父ちゃんも私も、ずいぶん変われたんだなあ。。。と思えた出来事だった。



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