ループとスパイラル

ひとつ出来事が起こる。
私は、自分の内がざわざわと波立つのを感じる。
なにかが詰まったような、言葉にならない苛立ちが、胸の中を占めてゆく。
ああ、私は今、エゴっているんだな、と自分の内を感じながら、そんな自分を静かに見つめている。
誰かや何かを通して機能不全の反応を起こしている今の自分を認める。
ただ、受け入れる。
すると、自分の在り様がクリアーになって、何が種となってそんな状態を内に引き起こしているのか、次第に見えてくる。
気付きだ。
気付きを通して自分を知る。
エゴの幻想に浸る自分の姿を知る。
すると、「ああ、私は、それに気付きたくて、それを手放したくて、この体験を引き寄せたんだ！」ということがわかってくる。

気付くということは、もう既にそのエゴとの距離が出来ている、ということだ。
持っていることに気付いている。
持ち続けることで苦しみが続くことに気付いている。
もう自分で気付いているのだから、そのエゴを持っていて苦しいのなら、ただそっと手を離せばいい。
何の力も要らない。
必死になって手放そうとしなくとも、自分が本当にそれを離したいと思っているのなら、簡単に手放せる。
もし手を離せないならば、実はまだ離したくないのだ。
エゴのもたらす心地悪さに浸っていたい自分がいるのだ。
誰も苦しみを持ち続けることを強制しはしない。
すべては、自分がしたくてしているのだ。
手放せずにいるならば、今度はそういう自分をただ受け入れる。
認める。
すると、また違う視点から、自分を静かに見つめる自分を感じ出す。
そうしてまた自分の姿を知ってゆく。
自分を知ったら、気付いたら、すぐに「実践」がやってくる。
本当に手放すその瞬間まで、何度でも出来事は繰り返される。
姿を変え形を変え、けれども本質は何も変わっていない学びが。
ループする自分に心底「うんざり」する時、びっくりするほど簡単に「苦しみ」を手放す自分を知るだろう。

こんな風に毎日が、一瞬一瞬が過ぎてゆく。
こんな風に私は、螺旋階段を登り続けている。 



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